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【Arduinoの選び方】UNO・Nano Every・Micro・Due・MEGAは何が違うのか?
Arduino(アルディーノ)は、マイコンのパイオニア的な存在です。
電子工作ブームの火付け役と言っても過言ではないでしょう。
Arduino言語というシンプルなプログラムを使って、パーツを組み合わせるだけで、簡単に制御できるのが大きな特徴です。
Arduinoの中で最も代表的なモデル「Arduino UNO R3」が日本で発売されたのは、2014年。
電子工作程度に使用する分には何も問題ありませんが、今となっては古い型のモデルもあり、スペックは低いです。
その反面、ネット上にたくさんの情報が残っています。
トラブルの対処に困ることはありませんし、やりたいことのサンプルコードもすぐ見つかります。
よって、「マイコンをはじめてみたい」「電気の知識も身に付けたい」というような初心者の方にオススメのマイコンです。
Arduinoの種類は大きく3つに分けられます。
スタンダードモデル
Arduino UNOは、Arduinoの中で最もスタンダードなモデルです。
「R」はリビジョンを示しており、R3は「Revision3」、R4は「Revision4」です。
バージョンアップを重ね、今のモデルに落ち着きました。
信号の入出力ピンがソケットタイプになっているので、ジャンパー線の抜き差し・ブレッドボードで実験するときに便利です。
なお、Arduinoはオープンソース・ハードウェアです。
回路図が公開されているので、誰でもArduinoと同じ製品を作ることが許されています。
よって、Arduino Holding以外のメーカーが作ったArduinoも販売されています。
なお、互換品は純正品よりも1/4くらい値段が安いです。
互換品はいわゆる「SMD版」とも呼ばれ、メインチップがSMT(基板実装)→ SMD(表面実装)に変更されています。
プリント基板の穴に入れてはんだ付けするか?基板の表面にはんだ付けするか?が違うだけです。
チップの大きさや取り付け位置も変わっていますが、性能は同じです。
ただし互換品を使用する場合、使用しているパソコンによっては、プログラムを書き込む際にドライバーのインストールが必要になります。
Arduino IDEで「シリアルポートが選択できない」「USBを認識しないとき」はドライバをインストールしよう
大した手間ではないので、基本的には互換品を選んでおけばOKです。
スタンダードモデルのメリット
- ブレッドボードで抜き差しできる
- 互換品の値段が安い
スタンダードモデルのデメリット
- スペックが低い
コンパクトモデル
Arduino UNOの小型モデルです。
- Nano 33 BLE ・・・ Nano Everyの後継機(性能アップ・Bluetooth・IMU搭載)
- Nano Every ・・・ Nanoの後継機(性能アップ・低価格)
- Nano ・・・ Microの小型モデル
- Micro ・・・ Arduino Unoの小型モデル
※IMU(慣性計測装置)とは?
3次元の慣性運動を計測する機能です。
主にロボットの動きを制御する際に用いられます。
6軸IMU: 加速度センサ(3軸) + 角速度センサ(3軸)
9軸IMU: 加速度センサ(3軸) + 角速度センサ(3軸) + 地磁気センサ(3軸)
加速度センサ ・・・ xyz軸方向の加速度を計測 → ロボット自身の向き・位置情報を予測
角速度センサ ・・・ xyz軸の角速度を計測 → ロボットの姿勢を検知
地磁気センサ ・・・ xyz軸の地磁気の強さを計測 → ロボットが向いている方角を予測
性能重視で選ぶなら「Nano 33 BLE」一択です。
温湿度センサ・気圧センサ・マイク・ジェスチャーといった色々なセンサを搭載したモデルもあります。
Arduino Nano 33 BLE Sense – スイッチサイエンス
もし性能に縛りがないのであれば、互換品が流通している「Nano」がオススメです。
互換品なら、純正品の1/3の値段で購入することができます(※頻繁に値段が変わります)
値段も大事だけど、信用性も大事にしたい!という場合は「Nano Every」がオススメです。
コンパクトモデルのメリット
・サイズがコンパクト
コンパクトモデルのデメリット
・ピン名が裏面に表示してあって見にくい
カスタムモデル
Arduinoには、さまざまなカスタムを施されたモデルが存在しています。
生産終了になっているモデルも多いので、現時点で生き残っているものに絞って紹介します。
Arduino Due
Mega2560・Leonardoの上位モデルで、高性能CPU・大容量RAMを搭載しています。
また、HID機能も搭載しています。
※RAM(メモリ)とは?
メモリは、一時的なデータを保管する部分です。
いくらCPUの性能が良くても、メモリが少ないと効率的なデータ処理ができません。
動作が遅かったり、フリーズしてしまうのがメモリ不足が原因なことも珍しくありません。
よく例えられるのが、CPUは「料理人」、メモリーは「まな板」です。
どんなに料理の腕が良くても、まな板が小さくては、効率よく料理はできません。
※HID機能とは?
普段、パソコンはArduinoにプログラムを書き込むための道具として使用します。
ところがHID機能を使えば、パソコンを制御の対象として扱うことが可能です。
例えば、「キーボードの1を押す」というプログラムをあらかじめArduinoに書き込んでおきます。
そのArduinoをパソコンに差し込めば、パソコンの画面に「1」が表示されます。
つまり、HID機能はArduinoをキーボードやマウスのように入力機器として扱うことができる機能です。
Arduino Leonardo
当初、HID機能搭載モデルとして発売されました。
Arduino Mega 2560
当初、大容量メモリ(RAM)搭載モデルと発売されました。
カスタムモデル(MKRシリーズ)
MKRシリーズは、主にメーカー向けに設計された特別な機能が搭載されたカスタムモデルです。
Arduino MKR WiFi 1010
Wi-Fi・Bluetooth機能を搭載したモデルです。
Arduino MKR WiFi 1010 – Amazon
Arduino MKR WAN 1310
Arduino MKR ZEROにLoRa接続機能(低消費長距離無線通信)を搭載したモデルです。
IoT向けの通信ネットワークに用いられています。
Arduino MKR Zero
microSDスロットを搭載した音楽再生向けモデルです。