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トランジスタとFETの違い・使い分けをざっくり解説
今回は、トランジスタとFETの違い・使い分けについて解説します。
「電子工作に使うだけだから、簡単にトランジスタとFETのことが知りたい」
「FETを使う意味があるのか?いまいちピンとこない」
「トランジスタが電流駆動で、FETが電圧駆動なのは分かった。で?って感じなんだけど・・・」
という方、ぜひ参考にしてみて下さい。
トランジスタとFETの違い
トランジスタ・FETの解説を見ると、
トランジスタとFETの役割は同じ(スイッチング作用と増幅作用)
トランジスタは『電流駆動』で、FETは『電圧駆動』
だいたい、こんな感じのことが書かれています。
スイッチング作用・増幅作用とは?
スイッチング作用とは、スイッチのように信号をトリガーにして、回路を開閉する働き。
増幅作用とは、マイコンなどから出力された小さい電流信号を基準にして、大きい電流を電源から引っ張ってくる働きです。
※大まかに理解してもらうために、必要となる抵抗等は省略しています。
電流駆動・電圧駆動とは?
トランジスタは、電流の大きさをトリガーにして、流す電流量を調整します。
FETは、電圧の大きさをトリガーにして、流す電流量を調整します。
例えば、トリガーとなる入力電流が1mAしかない場合。
トランジスタはFETよりも高い増幅率を持っていますが、100倍だとしても、出力できるのは100mA程度です。
対してFETなら、スイッチがONとなる既定の電圧さえかかっていれば、入力電流に関係なく、100mA以上を出力することができます。
トランジスタとFETの実際の使い分け
ざっくり言うと、
トランジスタは、正確に〇〇倍の電流を流したいとき。
FETは、とりあえず流せる分だけ流したいとき。
こんな感じの使い分けになります。
もう少し言い換えると、
スイッチを「ON」と「OFF」切り替えるだけなら、『FET』が幅広く使える。
ONとOFFの半分くらいとか、ちょっとだけONとか、微妙な調整がしやすいのは『トランジスタ』
って感じです。
結論としては、
「マイコンの出力信号をトリガーにして、ON・OFFするだけなら、トランジスタでもFETでも、どちらでも構わない」
という事になります。
ただし、スイッチングの性能だけを見れば、トランジスタよりもFETの方が優れています。
トリガーとなる電流も小さくて済みますし、流せる電流も大きいです。
また、FETの方がスイッチング速度が早く、消費電流が小さいという特徴もあります。
その分、値段は高くなりますが・・・
まず最初は、試しにトランジスタを付けてみる。
それで、もし「モーターが動かない」「電流が足りてない」となれば、FETに変えてみると良いでしょう。
- 代表的なトランジスタ:2SC1815、DTC114
- 代表的なFET:2N7000
※DTC114は、あらかじめ抵抗が内蔵されたタイプのトランジスタです。電流増幅率は固定ですが、抵抗を実装する手間を省くことができます。