- 最終更新日
- 記事公開日
ロードスイッチとは?TCK106AF/107/108の比較&使い方
ロードスイッチとは?
ロードスイッチとは、名前の通り「負荷(load)をオン・オフ(switch)」するためのICです。
中身は保護回路入りのFETなので、FETやトランジスタだけで構成する回路よりも部品点数が少なく、シンプルな回路を構成することができます。
ロードスイッチの特徴
- ON抵抗が低く(小さい電流でONできる)、許容電流が大きい
- メカニカルリレーのようにカチカチ音がしない
- フォトリレーと比べて値段が安い
- サイズが小さい
なぜ、ロードスイッチが必要なのか?
ロードスイッチは、トランジスタやFETと同じように『スイッチング作用』や『増幅作用』が必要な回路に使用します。
電源スイッチ回路(スイッチング作用)
例えば、装置に電源スイッチを取り付けたいとき。
物理的なスイッチを使うのであれば、指で押すだけで簡単にONすることができます。
ところが、「センサーが人を検知したとき」や「指定した時間になったとき」など、何かしらのタイミングで電源をONしたい場合があります。
そこで必要となるのが『ロードスイッチ』です。
ロードスイッチを使えば、マイコンなどから出力される電気信号を元にして、スイッチをONにすることができます。
モーター制御回路(増幅作用)
例えば、マイコンを使って小型モーターを制御したいとき。
マイコンの信号出力ピンとモーターを直接繋いでも、モーターを動かすことはできません。
なぜなら、マイコンのピンから出力される電流はとても小さく、モーターが必要とする大きな電流を流すことができないからです。
そこで必要となるのが『ロードスイッチ』です。
ロードスイッチを使えば、マイコンのピンから出力される微弱電流をトリガーにして、モーターが必要とする電流を流すことができます。
TCK106AF/TCK107AF/TCK108AFの使い方
現在、秋月電子通商では以下の3種類のロードスイッチを購入することができます。
部品一個あたりの値段は30円ですが、変換基板やリードフレーム代を含めると、約50円くらいのコストとなります。
TCK106AF/TCK107AF/TCK108AFの比較表
TCK106AF/TCK107AFは、CONTROLピンに入る信号が「HIGH」のときにスイッチが「ON」、TCK108AFは、CONTROLピンに入る信号が「LOW」のときにスイッチが「ON」となります。
オートディスチャージ機能とは?
オートディスチャージとは、ロードスイッチをOFFにしたとき、回路に残った電荷を放電する機能です。
例えば、ロードスイッチのVOUT端子に電解コンデンサが接続してあったとき、ロードスイッチをOFFにしても、電解コンデンサに溜まった電荷が回路に流れ込みます。
その電解コンデンサに溜まった電荷を急速に放電することで、システムの誤作動を防ぐための機能が『オートディスチャージ』です。
オートディスチャージ機能は、TCK107AT/CK106AFに搭載されており、TCK106AFは非搭載です。
電子工作レベルでは、あってもなくても大した影響はないと思いますが、迷ったらTCK107ATを選んでおけば良いと思います。
TCK106AF/TCK107AF/TCK108AFのピン配置図
データシート
※クリックするとPDFが開きます↓
TCK106AF/TCK107AF/TCK108AF_datasheet_ja_20151229.pdf - 東芝デバイス&ストレージ株式会社