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【M5Stackの選び方】BASIC・Gray・FIRE・CORE2・M5Stick・ATOMは何が違うのか?
M5Stackの一番の特徴は、マイコン本体に『液晶』が搭載されていること。
「時間」や「センサーの測定値」など、データを表示する装置での利用にオススメです。
もちろん他のマイコンでも、別に液晶を用意すれば、液晶を使うことが可能です。
しかし、わざわざケーブルを繋いで取り付けたり、液晶に表示させるための通信コードを書く必要があり、面倒なことも多いです。
それらの手間が省けて、見たいデータをすぐに表示できるのはとても便利です。
例えば、「回路がうまく動かない」「どこでエラーが起きているのか?」「どんな状態なのか?」を把握したいときにも役立ちます。
また、M5Stackには「Grove」と呼ばれる専用のセンサーモジュールやモーターコントローラーがたくさん用意されています。
コネクタを繋いで、サンプルプログラムを使えばすぐに動かすことができるので、初心者の方でも繋ぐだけで簡単に扱うことができます。
M5Stackの種類は大きく5つに分けられます。
M5Stack メインシリーズ
M5Stackの中で最もスタンダード&人気があるのが、このスクエア型のモデル。
- BASIC ・・・ 最もスタンダードなモデル(Amazon)
- Gray ・・・ BASICの上位モデル、9軸IMUを搭載(Amazon)
- CORE2 ・・・ Grayの上位モデル、PSRAM・タッチスクリーンを搭載(Amazon)
- FIRE ・・・ Grayの上位モデル、LEGOと繋げられる(スイッチサイエンス)
※IMU(慣性計測装置)とは?
3次元の慣性運動を計測する機能です。
主にロボットの動きを制御する際に用いられます。
なおM5Stackには、「6軸のIMU」を搭載したモデルと「9軸のIMU」を搭載したモデルが存在しています。
同じモデルでも発売時期によっては、軸数が違うのでご注意下さい。
6軸IMU: 加速度センサ(3軸) + 角速度センサ(3軸)
9軸IMU: 加速度センサ(3軸) + 角速度センサ(3軸) + 地磁気センサ(3軸)
加速度センサ ・・・ xyz軸方向の加速度を計測 → ロボット自身の向き・位置情報を予測
角速度センサ ・・・ xyz軸の角速度を計測 → ロボットの姿勢を検知
地磁気センサ ・・・ xyz軸の地磁気の強さを計測 → ロボットが向いている方角を予測
※PSRAMとは?
簡単に言うと、RAM(メモリ)をパワーアップできる機能です。
本来、メインチップには520KBのRAMしか搭載されていませんが、PSRAMに対応したモデルは、それとは別にPSRAMが搭載されています。
このPSRAMを外部メモリとして使用することで、本来よりも大きなメモリを扱うことが可能です。
アクセス速度が遅い・消費電力が大きいという欠点はありますが、カメラを使った高負荷な処理などで効果を発揮します。
※RAM(メモリ)とは?
メモリは、一時的なデータを保管する部分です。
いくらCPUの性能が良くても、メモリが少ないと効率的なデータ処理ができません。
動作が遅かったり、フリーズしてしまうのがメモリ不足が原因なことも珍しくありません。
よく例えられるのが、CPUは「料理人」、メモリーは「まな板」です。
どんなに料理の腕が良くても、まな板が小さくては、効率よく料理はできません。
M5Stack 特別シリーズ
- Faces ・・・ M5Stack Grayをゲーム機風にしたポケットコンピュータ型モデル(Amazon)
- M5GO ・・・ 簡単につなげて実行できる6つのセンサ類とオリジナルの開発環境が搭載されたIoTプログラミング学習キット。LEGOと繋げられる(スイッチサイエンス)
- Tough ・・・ 防水性・耐久性のあるモデル(スイッチサイエンス)
M5Stack カメラシリーズ
M5Stickシリーズ
- M5StickC ・・・ スティックタイプの最もスタンダードなモデル(スイッチサイエンス)
- M5StickC Plus ・・・ M5StickCの後継機、画面サイズがアップ(Amazon)
- M5StickV ・・・ カメラ搭載モデル(スイッチサイエンス)
- M5StickT ・・・ 広範囲の温度分布を映像化できる「赤外線サーモグラフィーカメラ」を搭載したモデル(スイッチサイエンス)
M5Stickカメラ系(Vシリーズ)の違い
M5Stack系・赤外線サーマルカメラ(Tシリーズ)の違い
コンパクトシリーズ(ATOM)
ATOMシリーズは、M5Stackのコンパクトモデルです。
ATOMシリーズは大きく分けて、液晶非搭載モデルと液晶搭載モデルがあります。
液晶非搭載モデル
- ATOM Matrix ・・・液晶・バッテリー非搭載の小型モデル。LEDマトリックスを使って、ドットで文字や数値を表現する(Amazon)
- ATOM Lite ・・・ LEDを一つだけしか搭載していないモデル。フルカラーLEDで状態を色で表現する(スイッチサイエンス)
- ATOM Echo ・・・ ATOMサイズにマイク・スピーカーを搭載したモデル(Amazon)
- ATOM U ・・・ USB-Aコネクタを搭載したモデル。USBケーブル不要で、直接パソコンに挿すことができる(スイッチサイエンス)
液晶搭載モデル
- ATOM S3 ・・・ コンパクトなATOMシリーズに液晶が搭載されたモデル(スイッチサイエンス)
コンパクトシリーズ(M5Stamp)
- M5Stamp Pico ・・・ 切手サイズの超小型モデル(スイッチサイエンス)
- M5Stamp C3 ・・・ M5Stamp PicoにUSBシリアル変換ICを搭載したモデル(スイッチサイエンス)
- M5Stamp C3U ・・・ C3のバージョンアップ版。USBシリアル変換ICが省略され、メインチップでシリアル変換が行われるようになったモデル(スイッチサイエンス)
※USBシリアル変換とは?
USBケーブルを使って、PCとマイコンで通信するために必要なものです。
マイコンには「シリアル通信」という通信方式が用いられています。
パソコンと繋いでマイコンのデータを書き換える際は、このシリアル変換機能が必ず必要になります。