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電解コンデンサの使い道。電子工作ではどんなとき役に立つのか?
コンデンサが電気を蓄えたり、放出したりできる電子部品だというのは、分かった。
「では、実際の電子工作では、どんなときに使えばいいのか?」
「電解コンデンサを使うと、どんな効果があるのか?」
ということで、今回は『電解コンデンサの使い道』について紹介します。
電解コンデンサの基本動作
まずは、以下の動画を見てください。
「電気を溜められる」という意味が分かりやすいかと思います。
電池で溜めた電気を使い、LEDを点灯させています。
左側は、一般的な電解コンデンサ(470μF)
右側は、一般的な電解コンデンサよりも70000倍以上の容量があるスーパーキャパシタというコンデンサ(3300000μF)です。
電解コンデンサは簡単に言うと、めちゃくちゃ容量の小さい充電池です。
LEDを一瞬点灯できるくらいの電気しか溜めることができないので、電池としては役に立ちません。
しかし、小さい分「充電するまでの時間が一瞬」というのが、電解コンデンサの最大の強みです。
電解コンデンサの使い道
では、実際にどんなときに電解コンデンサを使用するのか?
今回は2つの使用例を紹介します。
『電源の安定化』に電解コンデンサを利用する
以前、コイン電池で音楽プレイヤーを再生させるたときに、電解コンデンサを使用しました↓
コイン電池は馬力が小さい為、音楽プレイヤーを動かすための電流が十分に確保できませんでした。
なんとか4個直列にすることで、ギリギリ動かすことはできたのですが、たまに音が止まったり、うまく再生されないことがありました。
そこで、電源ラインに電解コンデンサを追加しました。
これで、音楽プレイヤーへの電気の供給が一時的に不足したとしても、電解コンデンサが代わりに電気を補ってくれます。
以降、正常に再生されるようになりました。
このように、電解コンデンサを使うことで、電池をもう一個追加するよりも手軽でコンパクトに改善できます。
『起動用電源』に電解コンデンサを利用する
電解コンデンサよりも、もっと大きな電気を蓄えることができる「スーパーキャパシタ」というものがあります。
以前、ミニ四駆を遅く走らせるために、スーパーキャパシタを利用しました↓
ミニ四駆のスピードを落とすため、最初に思いついたのが『抵抗』を入れてモーターに流れる電流を減らす方法です。
ところが、モーターを駆動させるためには「起動電流」という大きな電流が必要となります。
抵抗を使うと、この起動電流が足りなくなってしまい、モーターを動かすことができませんでした。
一度モーターが回ってしまえば、抵抗を入れたあとの電流で問題なくモーターを動かせます。
最初だけは、どうしても大きな電流を確保する必要がありました。
そこで、モーターを最初に駆動するときだけ、スーパーキャパシタから電気を補い、モーターを駆動する電流を確保しました。
ただし、この方法には一つ問題点があります。
容量が大きなコンデンサは、充電までに時間が掛かります。
普通の電解コンデンサであれば、充電時間は一瞬ですが、スーパーキャパシタの場合は、数秒~数十秒の充電時間が必要になります。
ミニ四駆の場合は、頻繁に電源を入れたり切ったりするわけでないので、充電時間を確保することが可能です。
しかし、音楽プレイヤーのように連続動作が考えられる場合には、スーパーキャパシタのような容量の大きいコンデンサは向いていません。
終わり
ということで、以上『電解コンデンサの使い道。電子工作ではどんなとき役に立つのか?』でした。
今回紹介した例以外でも、「マイコンの電源が途中で落ちてしまう」「プログラムや回路は合っているのにうまく動かない」など、電解コンデンサの追加で不具合が改善することがあります。
ぜひ、お試し下さい。