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電子工作におすすめのニッパー【100円ショップの工具がダメな理由】
部品の足やケーブルの切断など、電子工作には欠かすことのできない工具『ニッパー』
「100円ショップのニッパー」と「2,310円の精密ニッパー」は何が違うのか?
電子工作に必要なニッパーの機能について3つ紹介します。
1.切断面を水平にカットできるか?
例えば、基板からはみ出た部品の足をカットするとき。
100円ショップのニッパーでカットすると、根元でこうなります↓
基板の根元でカットできておらず、カットしたところが、いびつな形になっています。
見た目も悪いですし、配線ケーブルや収納するケースに傷をつけてしまう可能性があります。
対して、精密ニッパーでカットした場合↓
根元でしっかりカットできてるので、基板の高さも低く押さえられますし、はんだを盛ったときの見た目もキレイです。
また、メッキ線を使った配線のときにも水平にカットは大事です。
例えば、ピン同士をメッキ線で配線するとき。
キレイに配線するためには、できるだけピン間の長さにピッタリ合わせてメッキ線をカットする必要があります。
ところが、水平カットできないニッパーを使うと、山型に尖った分、長さに誤差が出てしまいます。
カットしたメッキ線が短すぎると、微妙にはんだが乗らず、配線が繋がりません。
長すぎると、ピン間に収まらず、またメッキ線の長さを調整する手間が増えます。
100円ショップに置いてあるニッパは、硬いものを切ることを重視したラウンド状の刃となっています。
電子工作においては、電子部品の足やメッキ線の配線にニッパーを使用することが多いので、水平にカットできるニッパーがオススメです。
2.刃先が細いか?
100円ショップに置いてある一番小さいサイズのニッパーでも、電子工作に使うにはかなり大きいです。
例えば、コネクタを取り外すとき。
コネクタのピン全てにはんだごてを当てることはできないので、コネクタを取り外すときは連なっているピンを一つずつカットして切り離す作業が必要です。
そのとき、狭いコネクタ間にニッパの刃を差し込む必要があります。
当然、刃先が太いニッパーは入らないので、ピンをカットすることはできません。
コネクタ以外にも、ICの足やトランジスタの足など、ピン数がたくさんある部品を壊して取り外すときには刃先の細いニッパーが必要です。
3.カットしたものが飛ばないか?
ニッパの刃先でケーブルを挟んだ瞬間、「ポーン」と切れたケーブルがどこかに飛んでしまったことはありませんか?
100円ショップに置いてあるニッパーには、この『切ったものが飛ばない機能』が付いていません。
特に短くカットしたメッキ線は良く飛びます。
配線に使うためのメッセ線であれば、また切り直せば良いだけですが、どこに飛んだのか?行方が気になります。
例えば、回路の隙間や収納するケースの隙間に入り込んでしまえば、意図せぬショートで基板を破損してしまう可能性もあります。
また、特に注意したいのがケーブルを切断するとき。
ケーブルは内部で細い銅線が束になっています。
被覆を剥いて切断すると、100円ショップのニッパーでは、パラパラパラと細い銅線がばらけて落ちてしまいます。
もし、作成中の回路の上にでも落としてしまっては大変です。
おすすめニッパー
私がオススメするニッパーは、goot(太洋電機)の『精密ニッパー フラットカット YN-10』です。
もちろん、さきほど紹介した電子工作に必要な機能は全て搭載されています。
- フラットカット機能 ・・・ 切断面を水平にカットできる機能
- ケーブル拡散防止クリップ ・・・ カット後、切断したケーブルの先が飛んでいかないように押さえるクリップ
あまりに使い勝手が良いので、ラジオペンチ・ワイヤーストリッパーも同じgootシリーズで揃えています。
そしてもう一本。
少し太めのメッキ線や部品のモールを破壊するときなど、やや乱暴に使用するための安いニッパーを用意しています。
拡散防止機能はありませんが、刃先が細く、フラットカットができるニッパーです。
まとめて買うと安いので、刃先がダメになったら交換する感じで気軽に使っています。